理想の瞳を持つオトコ ~side·彩~
翌日…
会社で仲良しのマキ先輩と、会社の近くにある『カフェ・ロータス』へとランチに出かけ、先輩の話に耳を傾ける。
「10代から20代前半は、仕事に終われながら、服やメイクにお金と労力を注ぎ込んで…
少しでも条件の良いオトコを探して…
無難で幸せな未来を手に入れる為に、自分のハリボテ作りに必死だったわ。
でも、25才を過ぎると、仕事に慣れて余裕が出来るし…
早々に結婚した友達の、家庭での愚痴を聞かされて過ぎて、結婚が夢物語じゃなくなるの。
その代わりに旅行に行ったり、美味しい物食べたり…
自分へのお金の使い方を覚えて…
溺れすぎない、大人の恋愛だって出来るようになるわ」
何の話の流れからだったのか、仲良しのマキ先輩にそう言われたのが、全ての始まりだった様に思う。
「彩も旅行したり、美術館に行ったり…
とにかく、色んな本物に触れてみたら?」
「ホンモノ…ですか?」
「そう、本物。
例えば…
相撲や歌舞伎、能、狂言、文楽みたいな日本の伝統を生で観てみるとか」
マキ先輩の言葉に、頭を巡らすけれど…
「…チケット高そう」
と、尻込みしてしまう。
そんな私にハッパをかけるように、
「自分への投資よ!
つまらない、楽しみのないアラサー、アラフォーなんて、目もあてられないわよ」
力説するマキ先輩に乗せられるように…
「そうですよねぇ…」
と、思わず頷くと、なんだか本当にそんな気がしてきて…
『これぞNipponって感じがする、京都に旅行なんて良いかな~』
なんて思ってしまう、単純な自分がいた。
…この会話が、自分の運命を変えてしまうなんて、思いもせずに。
会社で仲良しのマキ先輩と、会社の近くにある『カフェ・ロータス』へとランチに出かけ、先輩の話に耳を傾ける。
「10代から20代前半は、仕事に終われながら、服やメイクにお金と労力を注ぎ込んで…
少しでも条件の良いオトコを探して…
無難で幸せな未来を手に入れる為に、自分のハリボテ作りに必死だったわ。
でも、25才を過ぎると、仕事に慣れて余裕が出来るし…
早々に結婚した友達の、家庭での愚痴を聞かされて過ぎて、結婚が夢物語じゃなくなるの。
その代わりに旅行に行ったり、美味しい物食べたり…
自分へのお金の使い方を覚えて…
溺れすぎない、大人の恋愛だって出来るようになるわ」
何の話の流れからだったのか、仲良しのマキ先輩にそう言われたのが、全ての始まりだった様に思う。
「彩も旅行したり、美術館に行ったり…
とにかく、色んな本物に触れてみたら?」
「ホンモノ…ですか?」
「そう、本物。
例えば…
相撲や歌舞伎、能、狂言、文楽みたいな日本の伝統を生で観てみるとか」
マキ先輩の言葉に、頭を巡らすけれど…
「…チケット高そう」
と、尻込みしてしまう。
そんな私にハッパをかけるように、
「自分への投資よ!
つまらない、楽しみのないアラサー、アラフォーなんて、目もあてられないわよ」
力説するマキ先輩に乗せられるように…
「そうですよねぇ…」
と、思わず頷くと、なんだか本当にそんな気がしてきて…
『これぞNipponって感じがする、京都に旅行なんて良いかな~』
なんて思ってしまう、単純な自分がいた。
…この会話が、自分の運命を変えてしまうなんて、思いもせずに。