+コイン+
その言葉を合図に、動物園の猿が一斉に騒ぎ出したかのような声で取り巻きの女達が騒ぎ出す。

「えぇー灯真がなんであんなブス女に話があるの~?」
「ただの勉強女じゃあ~ん」
(悪かったな……あんた達だって化粧濃いただのババァでしょ……!!)

思わず持っていたシャーペンの芯が窓へ飛ぶ。
そう怒りつつも、木瀬絡みの面倒事は特に避けたいので口には出さなかった。

(なんであいつが、私に話なんかがあるのよ……)


1年の時からクラスメイトとして、特に関わりも持ってなかったはずなのに突然放課後に呼び出されたことに少し動揺してしまう。
学校中の女に手をつけたから、次は私か?いやいやありえない。それならゆらだって同じだ。
からかって誰かと賭け事でもしているのか?
結局、木瀬のたったその一言だけで一日の授業は集中できなかった。

「で、何?」
「これ何か分かるか?」
「アンタ……私バカにしてるの?! ただの携帯じゃん!!」
「ちゃう。画像や画像」
「画像……?」


そこには
テスト中に明らかにカンニングしている
あきの画像が保存されていた―――――――――
< 3 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop