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ワガママ野郎
『ワガママ野郎』
耳元で目覚まし時計が鳴り響く。目覚めは最悪だった。
心の中でカウントダウンを初め、無理矢理ベッドから起き上がる。
重い足取りで階段を下り、リビングへと向かった。
「……最悪…もう学校行きたくない……」
昨日の出来事を思い出す度、一歩一歩下がる階段が重くなっていく。
気づいた頃には無事リビングへと辿り着いていたが、
この扉を開けると同時に、最悪の一日が幕を開けると思うと
憂鬱でしかなかった。
すると急に控え目にガチャリという音と共にに扉が開き
その奥から、すでに身支度を終えた兄の姿があった。
「おはようあき。聞いたで学年1位やったんやろ?さすが俺の妹やな~!」
「おはよう、耀兄ちゃん」
3つ年上の兄、水城耀(よう)
朝から爽やかな眩しい笑顔につられて、思わず微笑んでしまう。
髪も明るくて、身に纏う物も奇抜なのに、どこか派手さを感じさせない落ち着いたファッションだった。
どちらかと言うと好きな服を着ているのではなく、自分に似合う服を選んでいるのだろうと思った。
「耀兄ちゃんは朝から本当お洒落だね」
「何々? どうしたの急に? 可愛い妹に言われると嬉しいよ」
そして、実は結構シスコンだと思う。
「あき、お前も来年は耀と同じ大学に行くんだからな。頑張りなさい」
そして父親。
「本当にあきはよく頑張ってるわね。小学校の時は勉強全然できなかったのに」
母親。
「うん……頑張ったから…」
耀兄ちゃんみたいに 褒められたくて
兄は現在通っている高校の先輩でもあり
在学中3年間、常に学年模試1位を取り続けた秀才だった。
努力や憧れだけでは、追いつけない本当に雲の上の存在だった
耳元で目覚まし時計が鳴り響く。目覚めは最悪だった。
心の中でカウントダウンを初め、無理矢理ベッドから起き上がる。
重い足取りで階段を下り、リビングへと向かった。
「……最悪…もう学校行きたくない……」
昨日の出来事を思い出す度、一歩一歩下がる階段が重くなっていく。
気づいた頃には無事リビングへと辿り着いていたが、
この扉を開けると同時に、最悪の一日が幕を開けると思うと
憂鬱でしかなかった。
すると急に控え目にガチャリという音と共にに扉が開き
その奥から、すでに身支度を終えた兄の姿があった。
「おはようあき。聞いたで学年1位やったんやろ?さすが俺の妹やな~!」
「おはよう、耀兄ちゃん」
3つ年上の兄、水城耀(よう)
朝から爽やかな眩しい笑顔につられて、思わず微笑んでしまう。
髪も明るくて、身に纏う物も奇抜なのに、どこか派手さを感じさせない落ち着いたファッションだった。
どちらかと言うと好きな服を着ているのではなく、自分に似合う服を選んでいるのだろうと思った。
「耀兄ちゃんは朝から本当お洒落だね」
「何々? どうしたの急に? 可愛い妹に言われると嬉しいよ」
そして、実は結構シスコンだと思う。
「あき、お前も来年は耀と同じ大学に行くんだからな。頑張りなさい」
そして父親。
「本当にあきはよく頑張ってるわね。小学校の時は勉強全然できなかったのに」
母親。
「うん……頑張ったから…」
耀兄ちゃんみたいに 褒められたくて
兄は現在通っている高校の先輩でもあり
在学中3年間、常に学年模試1位を取り続けた秀才だった。
努力や憧れだけでは、追いつけない本当に雲の上の存在だった