中指斬残、捌断ち儀


「出来かけ……って、右目、元に戻るんですか」


「はあ?戻るも何も、ほとんど出来てるよ。視力はまだまだだが、形としては八割方できて――おい、なに、しなだれてんの」


脱力したため、燃え尽きましたみたいなポーズになってしまった。


いやでも仕方がない。藤馬さんが失明したことにかなり負い目を感じていたから、こうして元に戻ると聞いてしまえば安心さえもする。


「そうですよね、反則藤馬さんですからね」


心配するだけ損なのではないかと顔を上げた。


一気飲みしたらしい酒を藤馬さんがまた注ぐ前に、僕が徳利を手にした。


何をしたいかなんて明白。特に何も言わずに、藤馬さんがお猪口を差し出してきた。


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