勿忘草




「それにしても、詩乃は花に詳しいな」

「ふふふ、それはわたしの夢がお花屋さんだからである」


あぁ、ほら、また。
顔が赤い。

分かりやす過ぎる詩乃に、また笑えた。


「ははっ、詩乃っぽい。
花に話しかけてたもんな、この前」

「っ!何で知って…」


ポカポカと俺の肩を叩く詩乃の頭を撫でて、なだめる。


「似合ってる。
きっと詩乃の天職だよ」

「……ありがとう、少年」


詩乃はむくれたまま、照れた。




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