勿忘草




「花言葉が好きなの。
まるでわたしの気持ちそのまま」

「なんて言うんだ?」


ふふふ。
本当に、鈴の鳴くように、こいつは笑う。



「ひみつ!」

「はぁ?」

「少年よ、自分で調べたまえ」



いつもの不思議な口調で、おどけて見せるから。


いつか教えてくれるものだろうと。


―――この時は思ってた。





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