勿忘草
調べ上げた携帯の画面に、ポタポタと涙が落ちた。
この花がさびれたような色になっても、あの日を思い出す。
『わたしの一番好きな花だよ』
『花言葉が好きなの』
『まるでわたしの気持ちそのまま』
バカだろ…。
そんなこと、花言葉に願わなくたって、できやしないのに…。
だから、もっと一緒にいたかった。
もっと二人で笑い合いたかった。
…ただ、詩乃が、好きだった。
―――本当に、短い恋だった。
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