勿忘草





俺は最近、しらみ潰しにいろいろな花屋を訪ねている。


それは、とてつもなく無謀に近いと分かっていながらも。


どこかで詩乃が働いていると信じて。





今日は、俺のマンションの近所に開店したばかりの花屋だ。


急いで行けば、まだ店内の明かりは点いていた。




看板がかわいらしい。

店先には、色とりどりの鉢植えの花が売られていた。

そこで一緒に、懐かしいものを見る。


トクンと胸が鳴った。





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