勿忘草
日常化
あの頃の毎日は。
* * * * *
それから俺は毎日、病院に通うことになった。
決して、あの少女に会うためではない。
…親父が毎日、“忘れ物”をするのだ。
毎日毎日、本気で“忘れ物”をするはずがない。
もちろん、親父を問い詰めてやった。
“忘れ物”なんか、俺を外に引き出すための、ただの口実だろうと。
しかし。
「何言ってるんだい、洸。
私はただ、お前の味方をしているだけじゃないか。
お前は人見知りだからなぁ、上手くやれよ」
なんて訳の分からないことを言われた。