あの憧れの先輩と…。
[ 第一章 ]
まずは挨拶から?!
私は中村柚子。今年から高校一年。
極々普通の平凡な奴だ。
特徴といったらこの何故かさらさらな真っ黒な黒髪。
これだけは唯一の自慢と言っても良いかもしれない。
そして入学してから何ヵ月かしたある日、
何故か兄…中村悠斗のお弁当を持っていくのが
日課になっていた私は…
今日も兄がいる二年三組のクラスに行く。
「おにいちゃーん?お弁当持ってきたよー」
「おー、さんきゅー!毎日ご苦労様でーす!」
けらけら笑いながら取りにきた兄は
そう言いさっさと元いた場所に戻ってしまった。
「あ、ちょ…なんなのよ、もう…」
私は呆れながらもあの人を見る…、
そう……、
私は兄の弁当を届けるついでに
学校中噂になるほど人気で
そして学校中一番の爽やか男子………
一条陸哉先輩を見るのが日課になっていた。
( あ、いた… )
今や、憧れの先輩と言っても過言ではない。
私は今日も一段と爽やかだなー、
と思いながら先輩を見ていた。
< 1 / 3 >