マザコン狩り

白いワゴンに見つかると、もう逃げられない。


女は殺戮を繰り返し、快楽を求める。


男たちは、恋人を想い死んでいく。


「今日は、誰にしようかな。」


その部屋から出されるとき、それは死の警告。


「あんたに決めた。」


女はねらった獲物を薬で眠らせ、磔にする。


「嫌だ！まだ死にたくない。」


「お願いだから許して。」


二人のおびえる姿を、女は楽しそうに見ている。


女は二人にこう言った。


「互いが嫌いだと言えば解放してあげる。まぁ嫌いと言われた方は死んじゃうけどね。」


二人は迷った。


自由になれる。


けれど見殺しにしなければいけない。


女は二人を楽しそうに見ている。


「わかった。」


男が口を開いた。


「ママが嫌いだ。」


女も息子が嫌いだと言った。


二人はお互いを驚愕の表情で見る。


「ひどいよママ。僕を見殺しにするんだね。」


「あなただって、ママを見殺しにした。」

二人の喧嘩を聞きながら、女は決断を下した。


「決めた。二人とも死刑。だって私、嫌いっていわれたほうが死ぬって言ったもんね。二人とも嫌いって言われてるから、死んで。」


女は楽しそうに声高に笑った。