マザコン狩り
第三章:最悪の展開。
祥子は、百合が出かけたのを確認してから起き出した。


最近百合の怪しげな行動が目立つ。


毎晩夜中にどこかへ行っているようだ。


祥子は、あらかじめまたしておいた車に乗り込み、百合の後を追うよう伝えた。


「あの子、危ないことしようとしてるんじゃ…。」


百合の車は、繁華街を抜け路地へと入り建物の前で止まった。


「出てきたわ。」


祥子はこっそり後を付ける。


「見つかった?」


百合の声だ。


祥子はとっさに身を隠した。


「ダメ。全然わからない。」


「こっちも収穫0。」


「このままじゃ二人とも殺される。百合の家族もいつ捕まるか。」


「大丈夫。あの二人ならちゃんと見てるから。」


「今だって置いてきてるじゃねぇか。」


「…」


黙り込む百合に見かねた友人が声をかける。


「おまえはもうここに来るな。少なくとも、この事件が解決するまで。」


「どうして!?」


「これ以上被害を増やすわけにはいかない。おまえはまだ防げるだろ。」


「けど…。」


「百合…気持ちはうれしいけど、あんたにはこんな想いさせたくない。逆ならあんたもそうするだろ。」


百合は言い返せなかった。


友人たちは、百合を気にしながらも建物から出ていった。
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