マザコン狩り
女はにやにやしながら、二人を交互に見つめる。


「ねぇ、都市伝説のだるまって知ってる?」


「だるま?」


翔太たちにも、その会話は聞こえていた。

小窓が開いて、会話を聞けるようになっていた。


どうやら、彼だけでなく、自分たちもショーのゲストらしい。


百合から一度聞いたことがある。


手足を切断され、売られている女の人の話を。


怖くて1人じゃ寝れなかったのを覚えてる。


「私だるまが欲しくて欲しくて仕方ないの。どちらかなっていただける?」


男は首を傾げた。


翔太は話してやった。


「やめろ…!!やめてくれ!!代わりに俺がなるから!!」


「嫌よ!私この二人が気に入ったの。まぁでもあなたがダメというなら、諦めましょう。」


その言葉に、男と翔太は、安堵した。


しかし、現実は甘くなかった。


「…どちらか1人は。」


女は楽しそうに笑った。


「心配しないで。あなたに選ばせてあげるから。どちらか1人、選んでちょうだい。そうすれば、その人とあなたは解放してあげる。」


男は首を横に振った。


「出来ない!!嫌だ!!」


女は何度も、選べといった。


男は、首を振るばかりだった。
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