マザコン狩り
百合はとうとう核心に迫った。


白いワゴンが止まっているのを見つけたのだ。


それは、廃墟に止まっていた。


何十人もの人間が消えているのに、まだ死体は出てきていない。


となれば監禁しているとしか思えない。


そんな大人数を監禁できる場所なんて、そうそうないだろう。


百合と仲間たちは、広くて今は使われていない建物に、場所を絞って探し始めた。


そして、とうとうワゴンを見つけたのだ。

ナンバープレートは、剥がされ窓にはスモークが張ってある。


「行こう!!」


「ダメ!!作戦を立ててからよ。」


「でもこうしてる間にも…。」


「落ち着いて百合。そいつが快楽犯ならきっとすぐには殺さない。じわじわと精神をいたぶっているはずだから。」


「そうだよ。それに今の疲れ切っている体じゃ無理よ。ちゃんと食べて、睡眠をとって、体力付けなきゃ。」

「食欲もなければ眠くもない。」


乾いた音がして、百合の頬に痛みが走る。

「旦那と姑のために、子供が死んでもいいの?」


百合は指示に従うことにした。
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