Affair
「――あっ…!」

後はもうお構いなしだった。

だって、奈津が悪いんだから。

誘ったのは奈津で、俺は悪くない。

「――律人…」

俺の名前を呼ぶ奈津に、すでに余裕なんてものはない。

「――奈津…」

俺は奈津の名前を呼んだ。

その後のことなんて、自分でもよくわからない。

ただお互い、激しく貪りあった。

我を忘れた獣のように、お互いを求めた。

こんなにも激しいセックスは、初めてだった。

特に、こんなにも相手が欲しいと思ったことは。

前の俺じゃ、考えられない。
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