Affair
「失礼しまーす。

先生いるー?」

いつものように保健室のドアを開けたら、
「えっ…はい」

いたのは、いつもの先生じゃない。

違う人だった。

肩までのウェーブがかかった茶色の髪に、色白の肌。

目は大きく、唇は小さく、さくらんぼ色をしていた。

身長も小柄な方で、一瞬学生かと思ってしまった。

間違えて保健室に入ってしまった新入生かと、そう思ってしまった。

けど、白衣を着ているところを見ると全然違う。

あっ、そうだ。

俺はいつもの先生が今年の春から産休に入ったことを思い出した。

彼女は代理の先生がくると、妊娠中のデカいお腹をさすりながら言っていたっけ。
< 11 / 200 >

この作品をシェア

pagetop