Affair
俺はケーキを差したフォークを奈津の前に差し出した。

「はい、アーン」

俺がそう言ったとたん、奈津はためらった。

もしかして、初めてだったのかな。

旦那がしたことがないことを俺がしているんだって思うと、何だか嬉しい。

1番になった気分だ。

「奈津?」

呼びかけると、奈津は口を開けてケーキを食べてくれた。

「…おいしい」

奈津が小さな声で呟くように言った。

かわいいなあ。

「奈津」

今度は奈津の唇にキスをした。
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