Affair
 ~*~Ritsuto~*~

「律人!」

「奈津!」

ここが空港の真ん中だと言うことなんて忘れた。

俺たちはお互いの存在を確かめるように名前を呼ぶと、強く抱きあった。

久しぶりの奈津は、痩せていた。

ただでさえ小柄で細いっつーのに…。

こんなに弱々しくなっちまって…。

「律人ごめんなさい…」

奈津が言った。

俺は躰を離し、奈津と見つめあった。

「何で謝るの?」

そう問いかけると、奈津はうつむいた。
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