Affair
俺は首を縦に振ってうなずいた。

「俺の親父は離婚して故郷の沖縄に帰った後、診療所を開いた。

残念ながら親父は今年病気で死んだそうだけど、今は年の離れた弟が親父の診療所を継いだって。

それで彼と何回か手紙のやりとりをして…」

そのとたん、奈津の目から涙がこぼれ落ちた。

「――奈津?」

名前を呼んだ俺に、
「――嬉しい」

奈津が泣きながら微笑んだ。

「律人と一緒にいることができるなんて、嬉しい…」

そう言った奈津がかわいくて、俺はまた彼女を抱きしめた。

「奈津…」

ささやいて、誓う。

「――幸せになろう」
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