Affair
「カネは反対しません。

奥様は、奥様が見つけた人と幸せになって欲しいと思っています」

そう言ったカネさんに、
「カネさん…」

私は驚いた。

そう言われたことは、意外だった。

てっきり、反対されるかと思っていた。

「カネは奥様がかけがえのない人を見つけて幸せになってくれれば、それでいいんです。

だから、反対しません。

むしろ、幸せになってくださいと願っています」

カネさんの言葉に涙が出て、頬を伝った。

そうなんだ。

私は、藤森くんが好きなんだ。

だから、こんなにも彼のことを思っているんだ。
< 29 / 200 >

この作品をシェア

pagetop