Affair
「奥様は、幸せになれる権利があります。

旦那様のためにわざわざ頑張らなくてもいいのですよ。

奥様には、好きな人と幸せになってくれればそれでいいですから」

そう言ってくれたカネさんに、
「…はい」

私は呟くような声で返事をした。

グズグズと泣く私に、カネさんがハンカチを差し出した。

「カネはいつでも、奥様の味方です」

優しく頭をなでるその手に、また涙があふれ出した。

藤森くんが好き。

それは、生徒としての気持ちなんかじゃない。

1人の男としての気持ち。

知らないうちに心の中で芽生えた温かいこの気持ちを、大事にして行きたいと思った。

大事に、大事に、育んで行こうと――。

 ~*~Natsu~*~END
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