Affair
突然ふさがれた唇は、気持ち悪いだけだった。

夫の唇が離れる。

「――あな、た…何を…?」

私は震える声で言った。

気持ち悪い!

気持ち悪い!

気持ち悪い!

吐き気が胸を襲ってくる。

「何って…ああ、久しぶりだから忘れたのか」

夫の手が私のパジャマにさわった。

「い、嫌ッ!」

意味はわかった。

私は首を横に振った。

「嫌って、何も緊張しなくても」

夫は笑いながら、私のパジャマを脱がしにかかった。

久しぶりの、夫との行為。

少し前の私だったら、嬉しくて舞いあがっていたかも知れない。
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