Affair
「ただいまー」

ドアを開けたとたん、玄関に夫の靴があった。

ギョッとした。

最近帰ってきていなかったから、なおさらだ。

「おかえり」

リビングに行くと、やっぱり夫がそこにいた。

「ずいぶんと遅かったじゃないか」

私の姿を見ると、夫が言った。

時計は8時を過ぎたばかりである。

「ごめんなさい…。

デパートでお買い物してたから…」

さっきまでの幸せな気分は一転、警察に尋問されている気持ちにさせられた。

「そうか…。

最近はデパートへ行っているのか」

そう言った夫に、私の心臓がドキッと鳴った。
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