茜色の葉書
 あいかわらずの“いいやつ”な行動だと思ったけれど、悪い気はしなかった。
 
 静寂。

 けれどそれはさっきまでのものとは違う、温かな静けさ。

 僕は彼女に惹かれ始めているのかもしれない……。

 出逢ってまだ半日も経っていないのに。

 頭が疑問を投げかける。

 彼女のどんなところに惚れたのかと。

 理性が理屈を求める。

 おまえの恋はそんなに簡単なものなのかと。

 そして心の中の自分がこう語る。

――彼女には好きな人がいるのに……。

 と……。
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