茜色の葉書
――どれだけ自分を変えようと思っても結局自分は自分。変われないのよ。

 知っている……この言葉、この声。

――心配症ね、涼くんは……。

 茜色の空と、大人びた少女。

――転校するの。お父さんがもっといい環境のところに引っ越そうって……。

 病弱で、でも、明るい少女。

――わたしもね、あなたと同じなの。いつも他人の瞳ばかり気にして……。

 髪を指に絡ませるクセ

――でも、あなたには、違う……。

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