リズ×望-お前の望むままに-
そして、腕枕をされながらも、リズヴァーンに背を向けた。

すると、同じようにリズヴァーンも横になり、腕を望美の腰に巻きつけてきた。

そのまま引き寄せられ、すっぽりと望美はリズヴァーンの胸に納まった。

「…わがままになればよい。私がそれをかなえよう。」

後ろから耳元で優しく囁かれ、くすぐったくて望美は少しだけ肩をすぼめた。

「お前の願いを聞かせて欲しい。」

また、甘い言葉が耳に届いた。

望美はその声の心地よさに流されそうになりながら、思い出したかのように、はたっと気付く。

…これでは、いつもの朝と同じなのではないか…と。

今日こそ、朝ごはんを作ろうと思っていたのに。

このままでいたら…。

などと思っていたら、案の定、耳に柔らかいものが触れた。

ピクンと望美の体が、跳ねる。

「せっ、先生…」

自分の状況がよくわかってしまい、望美の心臓が鼓動を早めた。

「どうした?」

楽しさを含んだ、からかうようなその声に、顔中が真っ赤に染まる。

「…今日は、弁慶さんたちが来るんですよ!?」

「知っている。」

「だから、こんなことしている時間はないんじゃ…」

途中まで言いかけたのに、今度は首筋に唇が当てられる。

「んっ…。」

小さな甘い声が、望美の口から漏れた。

単の上からわかる、優しい大きな手が、望美を求めだす。

「安心しなさい。ここには結界が張られている。」

望美の腰に巻かれていた腕が解かれ、肌を求めるようにリズヴァーンの手が衣の上を彷徨い始めた。

快楽を引き出すように、丹念に落ちる箇所を撫で上げられれば、自然と息に熱を帯びる。

「そう言う問題じゃ…んっ。…ない、ですよ…。」

その動きに答えるかのように、望美の言葉から力がなくなっていく。

「では、何が問題なのだ?」

耳元で囁く言葉と共に、甘い息が吹きかけられる。

「…ぁ…。」

素直な望美の声が、部屋に響いた。

リズヴァーンの暖かな手が、素肌を探り当て、ゆっくりと望美を撫でていく。

その柔らかな指先が、望美の心と体を翻弄し始める。

それと同時に、望美の体で小さな炎が揺らめき始めた。

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