月と太陽の恋模様
コンクール
8月中旬。
ついにこの日がやって来てしまった。
「いよいよだね、優ちゃん!昨日興奮してあんまり寝れなかった。」
隣の風先輩が深夜のテンションみたくはしゃいでいる。
「……私もです。」
そう、今日はいよいよ先輩の引退をかけたコンクールがある。
引退をかけた―というのは実は全国大会まで残れば引退は10月にまで延びる。
しかし、私達の高校はいつも予選敗退。強豪校ではない。練習も毎日全日しているというわけでもないしね。
だから、私達が目指すはA判定をもらうこと。
いつもBまたはB−(ビーマイナス)という判定止まりであるらしい。先生が言っていた。
今日こそは笑顔で先輩を送り出せる様に全力を出す。
絶対に成功させるんだ。
そうしたら―――…酒井先輩と話しに行こう。