月と太陽の恋模様
「夏美!今日の調子はどう?」
風先輩が酒井先輩に話しかけていた。
「うん、バッチリ。」
「……あんまり無理しちゃダメだからね。」
風先輩が言うように酒井先輩はどこか疲れて見えた。
「先輩、大丈夫っすか?」
植田にまで心配されるほどに。
「大丈夫よ。何か心配かけちゃってるね、ゴメンね。」
それでも彼女は明るく、けれど儚く笑うのだった。
酒井先輩は1人で全てを抱え込む。
決して他人に弱音を吐かない人だ。