月と太陽の恋模様
だけどそれを嘲笑うかの様に悪魔は彼女に手を差しのべる。
昼食を取っている時だった。
私達の出演時間は午後の1番最初。お昼は会場で取ることにしていた。
「夏実!夏実!」
風先輩の慌てた声が聞こえた。
「夏実!!大丈夫か!?」
続いて先生。
私の胸の中がどす黒い影でいっぱいになる。
私はおぼつかない足取りで騒ぐ方へ向かう。
部員全員が駆け寄っていた。
私は人と人の間の隙間から何とか目を凝らし、確認する。
見ると酒井先輩が倒れている姿が目に映った。