月と太陽の恋模様


上の空で練習をしていると先生が戻って来た。




「酒井は……疲労が溜まっていて…栄養失調に加え睡眠不足だそうだ。」




「じゃ、じゃあ酒井さんは……」




「――出るのは無理だ。」




私はその瞬間力が抜けた。




「優ちゃん!」




風先輩が私を支えてくれて楽器を落とすことだけは免れた。




「フラフラの状態で…楽器を持てそうにない。」




先生の声が頭の中をぐるぐると回る。
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