月と太陽の恋模様
「優ちゃん。」
へたり込んでしまった私に今まで見たことのない顔で風先輩が私を見つめる。
「許さないよ。」
え?
「夏実を言い訳に舞台に出れないとか上手く弾けないとか許さないよ。」
「!」
「そうだぞ、皆。夏実が不安で舞台を台無しにしたら夏実の責任になるだろ?俺も風の意見に賛成だ。」
先生が言った。
そうだ。
私は酒井先輩にそんなことをさせたいんじゃない。
私はただ…
「A判定もらって夏実に自慢してやろう?
俺達ここまで出来るんだって。きっと悔しがるぞ。」
ただ先輩に知ってほしいんだ。
私がこの部活で…先輩と出会えてどれほど幸せなのかを。
どれだけ変われたのかを。