月と太陽の恋模様


それからのことはよく覚えていない。


いつの間にか終わっていて、拍手が聞こえ、気づいた時には楽器を片付けていた。




「今日のお前らの演奏は最高だった!
指揮をする手が思わず震えていないか俺が焦っちまったよ。」




先輩達は皆、抱き合ったり涙を流し合ったりしている。


風先輩も綺麗に微笑みながら目元が光っていた。




「ありがとう…皆、ありがとう!!」




風先輩はそう言いながら私達ホルンパート全員に抱きついた。


その時漸く私は実感した。



コンクールが終わってしまったんだ……
< 426 / 670 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop