月と太陽の恋模様


「知ってる。」




……やっぱり先生は何枚も上手だ。




「俺は仲道さんのチョコを貰いに来た。」




……こんな渡し方ってあるんだろうか?




「……本命チョコです。受け取って下さい。」




先生はチョコを当たり前のように受け取り、恥ずかしくて俯いた私の顔を顎を持ち上げ、上げさせる。


――先生に唇を重ね合わされた。




「先生……ここ……」




肩を押して少しだけ離れると先生は私の言葉を無視して続ける。




「最近、してない。」




もう一度先生の顔が近づいてきたけれど、離れて下さいとはもう言えなかった。
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