Line ~何時ものセリフで~
冷たいアイスコーヒーで渇いた喉を潤しながら、諸橋さんを見ていると目が合い

「で、話って?」

尋ねられたので

「はい、お聞きしたいのは、雅人の
ことではなくて奥さんの…
麗子さんの事です」

少し目を見開いて『麗子の…』呟くと
一瞬顔が曇ったような気がしたが、
話を続けた

「以前お会いした時に、雅人に麗子さんの
具合がどうのって聞いていましたよね?
どこか具合が悪いのですか?」

諸橋さんは瞳を伏せたまま

「こういう話は本人からのほうがいいと
思うけど、その様子だと本人に聞けない
から来たって感じだね」

その言葉に私は力強く頷いた。
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