Line ~何時ものセリフで~
真剣にこの紙をどうしてくれようと
思案していると


「結、皆は?」

後ろから私の肩に顎を乗せながら言う
雅人の声にビクリと身体が反応して
しまう…


「ちょっと変な所から声かけないでよ」

慌てて熱をもった耳を押さえる私
それを見た雅人はニヤリと口角を上げ

「ナニ、ナニ?
さっきの思い出して感じちゃった?」

意地悪モード全開で顔を近付けてくるので
思わず『コレッ!』と紙を目の前に
突き出し一歩離れる


そのとーり
思いっきり思い出してしまいましたよ!

さっきまで体中に蕩けるようなキスを
降り注ぎ、指先で優しく触れながら
私の耳元で何度も何度も『愛してる』と
囁いてくれた彼の声が吐息が…

そして、その言葉に応える私の頬を伝う
涙をそっと拭って微笑んでくれた顔が
蘇る…
< 35 / 40 >

この作品をシェア

pagetop