七物語
氷山がその場を去ろうと、5人に背を向けた時だった…
「……まさか抜けがけしようとしてる訳じゃないよな…?!」
心臓がドキンッと体の中で大きくバウンドした…
若いカップルの男性の言葉に、5人は悲しげな目で氷山をじっと見る…
「……ま…まさか…!?………ちゃんと見つけたらすぐ帰ってきますよ…!」
顔が強張っているため振り返ることはせず、その言葉だけ残すとそのまま雪の上を歩き出した…
それからさらに上へ上へと登り続けた……
安心して溜め息を吐いた時にはもう5人は見えなくなっていた。
フンッ!…バカが!!
そう心の中でつぶやいた瞬間…!
ゴゴゴゴッ………!
……ん?
足を止めて頂上の方に目を向ける…
すると…
ヤバいッ…!!
大きな地響きと共に目の前から白い怪物がものすごいスピードで襲ってくる!
クソッ!
すぐさまその場でうつ伏せになり、頭をおさえた時にはもう目の前で自分を飲み込もうとしていた…
ドドドドドドッ!!