七物語



近くで見ると所々小さな穴が空いていたが、氷山にはその小屋がとても心強く、頼りになった。




何のためらいもなく扉を開ける。









部屋の中からも冷たい風が吹き抜ける…


だが部屋の中心に置いてあるレンガ造りの暖炉を見た瞬間に心なしか体は暖まった。




子どもがおもちゃに飛びつくかのように暖炉に駆け寄る。



もちろん火は点いているはずもなく、黒い炭や煤(すす)だらけだった。





リュックに入れてあるタバコのケースを取り出し、ライターだけを引き抜いた。











シュボッ………







3回ほどリールを回すとようやく火が灯る…





この時点でもかなり暖かく感じたが、それをさらに大きい火にしようと試みた。






リュックの中に入っていたタオルやティッシュ、小屋の中で突き出ていた木片を暖炉に詰め込んだ。



だが火は大きくなったり小さくなったりを繰り返すばかりでなかなか安定しなかった。
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