七物語



そして火を木片に当て続けているとようやくじんわりと木片も燃え始め、いずれ安定した火へと変わった。



小屋の中がパチパチと暖かな音で満たされる…













暖かい…











しばらく目を閉じて火に手をかざした。















『……まさか抜けがけしようとしてる訳じゃないよな…?!』

ハッと思い出す…

あの5人の存在…









めんどくさいがもしこのまま放置して死んだともなれば、自分がクビになるのも時間の問題…



慰謝料とか始まって、色んな家族に恨まれる…










そんな人生なんて御免だ…







氷山は充分体を温めるとリュックを部屋に残し、勢いよく小屋を出た。










「…寒みぃ~!!」

あまりの寒さにその場で足踏みをする。



山小屋に戻って再び暖をとりたかったが、自分がクビになってそれこそ寒い生活を送るよりは遥かにマシだと思うと自分にムチを打って足を進めた。
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