七物語




「…いや……それは……!………と…途中雪崩に巻き込まれてしまいまして…!」
実際はその雪崩のおかげで山小屋を見つけることができたのだが、とっさにそれを使って言い訳をする。


「…ウソつけ!」






「……やめなさいよ…!私たちも巻き込まれたでしょ?あの雪崩に巻き込まれたら山小屋を探して、それから私たちを見つけるのに時間がかかるに決まってるわ…」
男の彼女が言う。



納得したのか舌打ちをすると男は手を離した。



冷静に物事を考えて自分の無実を証明してくれた彼女を心の中で祝した。









「…そ…それで……そのマサコさんは……どこに…?」
























歩いて10分もしない場所にマサコの遺体が埋まっていた。


白い景色の中で木が一本だけそびえ立っている…





確かに墓にはもってこいの場所だな…














そして…




目印のつもりなのかその遺体は雪の間から右腕だけ出してあった……



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