七物語
社長とは8年間お互いの成長を見てきた仲だ。
8年の間に私はビギナーからインストラクターの資格を得ると晴れて独り立ちを許され、社長は 前に勤めていた会社から離れて今の会社をおこし、私を前の会社から引き抜いてくれた。
時には男同士、夜通し飲み明かした時もあった…
そして信用と安全を武器にここまで社長とこの会社を築いてきた…
あのリュックはそんな私たち2人をいつも見ていてくれた…
社長がいつも自分のダメなところを指導スしてくれるような気がして心強かった…
だが…
そんなリュックともここでお別れだ……
乱暴にリュックを奪われると男は何のためらいもなく暖炉に突っ込んだ…
しょうがない……
自分が招いた結果だ……
いや……むしろ…社長はリュックを下ろせと言っているのかもしれない……
私にはもうインストラクターとしての役目を終えたと………
氷山のリュックは厚みがあったせいかしばらく燃え続けた…