七物語
他の登山者も順番に空っぽにしたリュックを入れては火を繋いだ…
時計は深夜1時をまわり、首をコクリといわすものが出始めてきた…
女性2人は何度も寝ちゃいけないと言わんばかりに何回も起きては首を横に振ったが、しばらくすると体育座りのまま完全に眠った。
そして若い男も彼女に寄り添って寝始めた…
年長の男性はというと……
「…マサコ………すまなかった…」
部屋の隅で夫婦で撮った写真を両手で持ち、何やらぶつぶつと喋っている…
「………どれくらい……」
「……え?」
「……どれくらい…結婚生活を送られたんですか…?」
男性の気持ちを察して氷山が話しかける。
「………36年です…」
「…………それはそれは……。」
自分が努力してきた8年間の4倍も苦労してきたのかと思うと頭が上がらなかった…
「……申し訳ございませんでした…こんなことになってしまって……」