七物語
そう決心すると素早く戸を開けて山小屋の中へ避難した…
すると1人の女性が突然部屋の奥から2人に気づき、駆け寄ってきた。
「………どうしました…?」
自分好みの女性だから顔を見なくてもすぐあの女だと分かった。
だがよくよく顔を見ると涙目で何かあったような表情をしている。
「…………何があったんです…!?」
女性の肩を掴んで心配してる表情を作るなり言った。
やはり綺麗だ……
「………ユリさんが帰ってこないんです…!!」
その言葉で我に返る。
女性は若い男の方を向くと大声でそう言った。
「……は?!」
男は聞き間違いだと思い、聞き直した。
「………ユリさんが………ユリさんが…!!」
部屋の中に確かに男の彼女はいない…
「………ふざけんな!なんでいねぇんだよ…!」
「……あの後、やっぱり私も行く!って言って出て行っちゃったの…!」