七物語





「……そっとしてあげた方が…」


女が困った表情をして言ってきた。





それには賛成だ…!




その方が女と2人っきりになれて好都合だ。







ただ……

これ以上死人が増えるとなると……



いや……



もうクビは決定だな…







開き直った。




もう最後なんだからこの女を抱いてやろう…!
それぐらいの気持ちで2人っきりになってやる!


今のうちにしかできないことをやり尽くすんだ…!!





「………そうですね…分かりました…。……好きなだけそこにいても構いません。…ただ気が済んだり、状況が変わったらすぐに戻ってきてください!いいですね!!」
「……あぁ…」


とりあえずそんな言葉だけでもかけておく。


むしろ本当は帰ってこないでほしいと願っているが…









男はユリの腕を額にくっつけると目を閉じ、黙って下を向いた。




「……ユリ……………」






氷山たちはその姿を背にして山小屋に戻った。
< 34 / 73 >

この作品をシェア

pagetop