七物語






山小屋の中はすっかり冷えきっていた。



だが吹雪く外に比べればいくらかマシだった。






ただ女はさっきから手をグーにして寒さで震え、座ることを躊躇している。









とにかく燃やせるものを探してあげないと…!









氷山は亡くなった者の持ち物をあさり始めた。







年長夫婦の持ち物からは夫婦仲良く写っている写真やらスケジュール帳やら手編みのマフラーなどいくらか燃えやすい物が出てきた。




ひとまず暖炉に放り込みライターで燃やす。

すると手元が温まるぐらいの炎が現れた。






女はそれに気付くと紫色の口をしながら一目散に暖炉へと近づいた。




「……はぁ~…はぁ~…」
手を何回も擦ったり息を吐いたりして手を温めた。








それを確認すると氷山は再び燃える物を探し始めた。






あの男の彼女の持ち物から日記帳が出てきた。




しかも表紙カバーが木製のためこれは好都合だと思うと女の横から放り投げた。
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