七物語



「………よかった…安心してくれて………よかった…君は殺されていなくて…」

彼女の体は心なしか温かかった。





「…ホントによかったです…氷山さんも生きていて……















…次ようやく殺せます…!」





何も聞こえなくなった…


ただ彼女の今の一言が頭で何度も繰り返されて、いつの間にか彼女の右手には包丁が握られていた…






「………な……なんで…?」


「………あなたが思ったのと同じこと……


…私だけでもいいから助かりたいから…


私にとってあなたたち邪魔者をどうにかして排除できればどれだけ楽なことか……


あなたたちのペースに合わせていると私もこの寒さにやられてしまう…」


その時自分がマサコが寒さで倒れた時のことを思い出した。


あの時自分はそんなことを考えていた…
それを今なぞられている気がする…





「……どういうことか…分からない……!…な…なぜ包丁を持っているんだ…?!」

氷山は後ずさりするが、同じスピードで女は近づいてきた。
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