七物語
「………ここどこだか分かりますか?!!」
もう1人の男が聞いてきた。
ぼやけている視界をハッキリさせようと目をさらに開けた…
そして首を動かして辺りを見渡す…
「………白い…
雪……」
氷山は雪山にいた。
そしてガバッと起き上がる。
「……ない…………痛くない…!」
体の至る所を触れても痛みを感じないし、手に血が付着することもなかった。
「………夢…?」
そう言うと力がドッと抜けて再び倒れ込んだ。
「……大丈夫ですか!!?しっかりしてください!!」
「……よかったぁ~!!」
「…雪山で遭難していると通報が入ったんで助けに来ました!!……氷山さんでよろしかったでしょうか?!」
吹雪く雪の中一生懸命大きな声で話しかけている。
「………はい………間違いありません……」