七物語
ビュウウウゥゥ!!
まさかこんなに吹雪くとは…
寄りによってこんな時に…!
今日はいつも通りの雪山体験ツアーのはずだった…
『…今日は中止だと言ってるだろ!』
『……いえ!心配ありません!…それにこの日を楽しみで来ているお客様もいらっしゃるんです!今更それを中止にする訳にはいきません!』
実際、楽しみたかったのは自分だった…
確かに吹雪くのは分かっていた…
だが自分が危うい気持ちになるほど吹雪くなんて思わなかった…。
もっと社長の話を聞いていればこんなことにはならなかっただろう…
だが今更遅い…
むやみやたらに下山はできない…
だからといってこのまま雪山を登り続ける訳にはいかない…
せめて山小屋さえあってほしい…
そんな思いで、登山者5人と登山を続けた。
こんな時に下山するのは危険だ…!
横殴りの雪が少し出てる肌に当たり、体を急激に冷やした。