彼は私の金魚。



とっさに目を閉じると、

ひんやりと冷たい感触が。

ゆっくりと目を開けると、私の額に爽の手が。



「少し熱いですね。今体温計を持ってきます。」

「えっ?ああ。」



驚いた。

爽が私にどんどん近づいて来るから。

何?何で私、驚いたの?

驚いたって言うより…

何だろうこの気持ち…。


「爽世様、体温計です。」

「ありがとう。」



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