彼は私の金魚。



ピピッ



「何度ですか?」

「平熱よ」



体温計をしまおうとした手を爽が掴み、

私をじっと見つめる。



「嘘ですね。」

「……。」

「見せて下さい。」



爽の視線に耐えきれず私は大人しく体温計を差し出した。



< 36 / 65 >

この作品をシェア

pagetop