彼は私の金魚。


お母様を失い、

生気のない私を見かねたお父様は、

私の心を埋めるための玩具を与えた。



「爽世(ソヨ)、今日から家族が増える。
 この子は交通事故で両親を無くして私が援助している施設に
 入れられそうになっていたんだが引き取ったんだ。
 爽世と同い年だから仲良くしてあげなさい。」



他の物で埋まるわけないと思っていたのに

彼に会った瞬間に



「初めまして、爽(ソウ)です。爽世お嬢様。」



一緒だと思った。


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